外壁塗装工事のポイントとは?

外壁塗装工事のポイント
~失敗しないために知っておくべきこと~
外壁塗装は、住まいの寿命を延ばすために欠かせない重要なメンテナンスです。しかし、初めて工事を依頼する方にとっては、見積書の内容や業者の対応、塗料の種類、契約内容など、わからないことだらけで不安を感じるのも当然です。
この記事では、「外壁塗装で失敗したくない」「安心して業者に任せたい」という方のために、現地調査から契約、工事内容のチェックポイントまでをわかりやすく解説します。
この記事はこんな方におすすめです
・外壁塗装の見積書が届いたが、内容が理解できない!
・どの業者が信頼できるのか判断に迷っている。
・不当な金額や手抜き工事などのリスクを回避したい。
・安心して外壁塗装を任せたいけど情報が少なく不安・・
外壁塗装の本来の目的とは?
外壁塗装というと「見た目をきれいにするもの」というイメージを持つ方も多いかもしれません。しかし、もっとも重要な目的は建物の防水機能を回復・維持することです。
年月が経過すると、外壁は紫外線や雨風によって劣化し、塗膜がはがれたり、ひび割れが発生したりします。これを放置すると、建物内部に水が浸入し、構造材の腐食やカビの発生につながります。
💡外壁にダメージがあるまま塗装すると、新しい塗料の性能が十分に発揮されません。下地補修こそが、長持ちする塗装の第一歩です。
外壁塗装の主な工事の流れ
以下は、一般的な戸建て住宅における外壁塗装の流れです。まずは、基本的な用語や工程を押さえておくことが大切です。
工程 | 内容 |
---|---|
①足場設置・仮設工事 | 工事着工です。足場設置のため波板やカーポート屋根の撤去などを行い、作業の安全確保と効率化のため、足場を組み立てます。 |
②高圧洗浄 | 旧塗膜、カビ、ほこり、藻などを洗い落とします。 |
③下地補修・シーリング工事 | モルタル壁のクラックや浮き・剥がれ、サイディング壁の目地シーリング打ち替えやクラック補修で塗装面を整える。 |
④養生作業 | サッシ窓や車、植木などに塗料が飛ばないよう保護します。 |
⑤下塗り | 塗料の密着力を高め、塗料の吸い込みを防ぎ、防水性能を発揮させます。下地の状態によって下塗り材を選定します。 |
⑥中塗り・上塗り | 仕上げ塗装。美観と保護機能を重ね塗りで確保します。グレードによって耐用年数が違います。 |
⑦完了検査 | 塗り残しやムラの確認。施主立会いの最終チェックも。 |
⑧足場解体 | 足場解体後の確認も行い、お引渡しとなります。 |
地域や環境による影響も考慮しよう
建物の状態は、地域や立地条件によって大きく変わります。
- 大通り沿い:排気ガスや汚れが付きやすい
- 湿気の多いエリア:コケやカビが発生しやすい
- 周囲を建物に囲まれている:風通しが悪く湿気がこもる
これらの条件に合わせて、塗料や施工方法を提案できる業者かどうかが重要です。
信頼できる業者選びのポイント5選
外壁塗装は資格や免許がなくても始められる業種です。そのため、良質な業者もいれば、残念ながら手抜きや高額請求をする業者も存在します。
以下のポイントを参考にして、信頼できる業者を見極めましょう。
① 現地調査が丁寧か
- 写真付き報告書(40枚以上が目安)があるか
- 劣化箇所や施工範囲を細かくチェックしてくれるか
- 建物の図面に基づいて面積を計算しているか
📌 ドローン調査などを用いて、高所や目視しにくい部分まで確認する業者は信頼できます。
📌必ずしもドローン調査が絶対ではないですが、屋根に上がって調査する事で屋根材が割れたりする可能性もあるので訪問販売などの業者を屋根の上にあげて調査してもらうことはお勧めしません。
📌ドローンなどを積極的に運用している業者は最新の動向に関心が高く安心できます。
② 足場設置の説明があるか
足場を設置することで…
- 駐車場が使えなくなる
- 植栽の剪定が必要になる
- 物置や波板の撤去が必要になる
- 敷地内に足場設置できる?
- 道路使用・道路占有などの申請は必要か
など、工事前に知っておくべきことが多くあります。経験豊富な業者にとっては当たり前のことですが、これらの説明がないまま工事が進むと、後でトラブルや追加費用の原因になります。
③ 見積書の明細や保証が明確か
見積書のチェック内容は以下を確認しましょう。
チェックすべき項目 | 内容例 |
---|---|
塗料のメーカー・商品名 | 例:日本ペイント/ファインSi |
塗装回数 | 下塗り1回+中塗り1回+上塗り1回 |
塗装面積 | 建築図面に基づいているか |
付帯部の記載 | 軒天・破風・雨樋などが個別に明記されているか |
保証は業者や塗料によって変わると思いますが、以下を参考にしてください。
- 塗料メーカーの製品保証(5〜10年)
- 業者独自の施工保証(5〜10年)
- 完了後の定期点検(1年、3年など)
どんなに丁寧に作業しても、塗り残しゼロは不可能です。第三者チェック体制とアフターケアがあるかも確認しましょう。
④ 実績や口コミの確認
- ホームページやショールームなどの実店舗があるか
- ホームページに施工事例が豊富に掲載されているか
- GoogleマップやSNSでの口コミ評価はどうか
- 塗装後のビフォーアフター写真の提示があるか
実績が多い業者はトラブルも少なく、顧客対応も慣れている傾向があります。
⑤ 資格や許認可を持っているか
- 先ほども述べましたが、外壁塗装は資格や免許がなくても始められます。しかしながら、建設業許可を持っているということは一定基準以上の実績と経営基盤があるということになります。
- 塗装職人さんが一級塗装技能士などの資格がある業者は信頼度が高いといえるでしょう。
塗料選びも失敗を防ぐ重要ポイント
耐用年数や機能性、価格によって塗料には違いがあります。以下に主な塗料をまとめました。
種類 | 耐用年数 | 特徴 | 向いている人 |
---|---|---|---|
アクリル | 5〜7年 | 最も安価、劣化が早いため非推奨 | 一時的な対応をしたい人 |
ウレタン | 7〜10年 | 柔軟性があり密着力が高い | 費用を抑えたい人 |
シリコン | 10〜15年 | 現在の主流。コスパに優れる | 標準的な品質を求める人 |
フッ素 | 15〜20年 | 高耐久・高価格 | 長期間メンテナンスしたくない人 |
無機 | 20〜25年 | 最も高耐久で防汚性も高い | 性能重視・長期保護したい人 |
私の外壁塗料のおススメ5選はこちらから
上塗り塗料も大事ですが、下地に合った下塗り材を選定することも重要ですので
必ず確認しておきましょう。
外壁塗装の下塗り材はなぜ大事か?はこちらから
カラー選びで後悔しないために
外壁の色は住まいの印象を大きく左右します。選び方を間違えると、数十万円かけて後悔…ということにも。「思っていた色と違う」といった後悔を避けるために、カラーシミュレーションは必須です。
色選びのポイント
- ツヤの有無:ツヤありは汚れに強いが、好みが分かれる
- 周囲との調和:近隣の建物や景観と調和する色を意識
- 色あせしにくい色:白・黒などは紫外線の影響を受けやすい
📌 塗り見本(A4サイズ)をお願いするのもおすすめです!
🎨 カラーシミュレーションや塗り見本(A4サイズ)を活用することで、完成後のイメージのズレを防げます。
後悔しない外壁の色決め!はこちらから
契約時に必ず確認すべき5つのこと
契約を結ぶ前に、以下の項目は必ず確認しましょう。
①見積書の内訳が明確か
- 使用塗料名・メーカー名
- 塗装回数(3回が基本)
- 塗装面積の正確性
- 一式表記は避ける(外壁塗装工事一式80万円など)
不明瞭な見積りは追加費用の発生などトラブルの元になりがち、また比較検討がしづらく適正価格か判断できないからです。
②価格だけでなく内容で比較検討しているか
良い業者と悪い業者の違いは何でしょうか?価格が安いから良い業者で価格が高いから悪い業者でしょうか?以下の点に注意して比較検討してみましょう。
- 調査 あなたのお家の状態を理解しているか?
- 見積り 正しい見積もりをしてくれているか?
- 工事 適切な工事をしてくれる業者なのか?
③信頼できる業者か確認
- 保証内容・実績・口コミをチェック
- ホームページなどで過去の施工例や写真があるか
経験豊富な業者かどうかの判断材料になる、自社施工と下請け任せの差もチェック可能な範囲で確認を。
④契約書の内容
- 工期、使用塗料、保証内容、支払い条件、作業工程などの記載があるか
- 書面で正式な契約を交わすか(口約束はトラブルの元)
契約内容が不明瞭だとトラブル時に不利、説明責任を果たす業者は信頼性が高い傾向にあります。
⑤クーリングオフの説明があるか
屋根や外壁の塗装工事の契約も、条件を満たせばクーリングオフの対象になります。契約後8日以内は無条件で解約可能(※訪問販売など)ただし、いくつか注意点があるため気をつけてください。
屋根・外壁塗装工事の契約もクーリングオフが出来る?はこちらから
工事後も安心できる業者を選ぼう
最後まで安心して任せられるかどうかは、工事後の対応にも現れます。
- 定期的な点検・アフターサービスの実施
- 保証の内容が書面に明記されているか
- チェック体制が整っているか(別スタッフの検査など)
まとめ|外壁塗装で後悔しないためのチェックリスト
✅ 丁寧な現地調査と報告書
✅ 明細付きの見積り(塗料・部位ごとに記載)
✅ 足場や周囲の配慮まで説明があるか
✅ 実績や口コミ・保証体制の確認
✅ 塗料や色選びのサポート体制があるか
✅ 工事完了後の点検や保証が充実しているか
✅ クーリングオフ制度の説明と適用範囲の確認
外壁塗装は金額も工期も決して小さなものではありません。だからこそ、事前の情報収集と信頼できる業者選びが成功のカギです。焦らずに一つずつ確認し、納得できる塗装工事を実現しましょう!