なぜ?ガルバリウム鋼板の屋根が新築でもリフォームでもシェアを伸ばす理由!

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ガルバリウム鋼板(金属屋根)のシェアが伸びる理由と最新データ(H24→H29→R5)
直近10年で新築戸建ての屋根は「軽く・施工しやすく・省エネに寄せやすい」金属屋根(ガルバリウム鋼板/ジンカリウム鋼板)が主役に。設計トレンド(片流れなど)と制度・省エネ対応が後押ししています。この記事では、新築でシェアを伸ばしているガルバリウム鋼板屋根(金属屋根)の選ばれる理由を解説します。これから新築・リフォームで屋根材を選ぶ方の参考になれば幸いです。
Contents
1. ガルバリウム鋼板屋根のシェア推移

そう言えば、最近の新築住宅の屋根ってガルバリウム鋼板の屋根がすごく多い気がするけど実際はどうなんだろ?

確かに最近の戸建て住宅の新築は特に金属屋根の割合が増えてますね!具体的に過去10年でどのように屋根材のシェアが変わったか見てみましょう!
屋根材 | H24(2012) | H29(2017) | R5(2023) |
---|---|---|---|
ガルバリウム/ジンカリウム鋼板 | 23.0% | 37.8% | 52.3% |
スレート瓦 | 42.5% | 32.7% | 27.3% |
粘土瓦 | 25.0% | 18.7% | 11.0% |
その他金属 | 3.0% | 4.3% | 3.2% |
アスファルトシングル・屋根一体型太陽光 | 1.0% | 1.4% | 4.1% |
その他 | 5.5% | 5.2% | 2.3% |
- 金属屋根は過去10年でシェアが30%近く上昇、不動のシェア1位に。
- スレート瓦はシェア15%ダウン、シェア1位から陥落。
- 粘土瓦はシェア14%ダウン、スレート瓦と共に大きくシェア落とす。
- その他の屋根材は微増減。
さらにR5報告には「屋根形状×屋根葺き材」のクロスもあり、片流れは金属80%超と相性が極めて高いことが示されています。

屋根材によって明暗がはっきりと分かれたね!今後もこのトレンドは続きそうかな。

ほんとだ!数字で見るとこんなにはっきりと変わってるんだね!でも、理由はなんなんだろ?
2. シェア拡大の要因(複合要因)
建築デザインの変化
- 片流れ屋根・フラット系屋根のデザインが普及:新築で多く採用されている「モダンデザイン住宅」や「シンプル系住宅」で増えている片流れ屋根は金属屋根との相性◎。屋根勾配が緩くて施工しやすいことは金属屋根優位につながります。また、屋根の形状が単純で雨仕舞(雨水処理)がしやすい(メンテナンスがしやすい)。R5の「屋根形状×葺き材」で片流れは金属比率(80%超)が突出。
- 外観コーデの自由度:金属屋根はカラーバリエーションや質感(マット/濃色)などが豊富で外壁デザインの自由度が高く採用されやすい。
構造・耐震・耐久の理屈
- 屋根の軽量化=地震対策:金属屋根は瓦に比べて重量が約1/10と非常に軽く、家全体の重心が下がります。伝統的な「軽い屋根/重い屋根」の壁量区分は改定で廃止されましたが、家全体の重心が下がることで地震の揺れを軽減することでき、耐震等級の計算上も有利になります。
- 耐食・高耐候の進化:ガルバリウム鋼板+高耐候塗装でライフサイクルが伸び、再塗装周期も長期化傾向。フッ素塗装、遮熱塗装などで高付加価値商品が増えている。
省エネ・再エネとの親和性
- 遮熱仕上げ・断熱一体化:断熱材一体型の金属屋根材(アイジー工業:スーパーガルテクト、ニチハ:横暖ルーフ)などは冷房負荷低減に寄与。省エネ等級対応の設計と相性良好。
- 太陽光との相性:金属屋根の縦ハゼ等は太陽光発電パネルの架台固定の自由度が高く、屋根一体型/載置型ともに太陽光発電パネルとの相性が良い。また、東京都では2025年の4月から一定規模以上の住宅供給事業者には「新築戸建て住宅への太陽光パネル設置の義務化」により今以上に影響が出る可能性あり※一部免除あり
施工・流通・人手不足への解
- 工期短縮:長尺材で一気に葺ける=上棟からの雨仕舞までが速い。職人不足の時代に工期短縮は今後、現場でますます重要になる。
- 軽量・搬入性:軽量で搬入が容易。雪国や狭小地など、施工条件が厳しい現場でも扱いやすい。
制度・市場背景
- 耐震リフォーム・軽量化補助の影響:熊本地震や能登地震以降、屋根軽量化の重要性が認知され、設計段階から金属屋根を選ぶケースが増加。
- 標準仕様化:ハウスメーカー/工務店の標準仕様で金属屋根の採用が増え、そのまま統計に反映。コストダウンの側面もある。
3. 中国地方(岡山含む)の現況
中国地方(岡山含む)では金属屋根の採用が58.4%と全国平均よりさらに金属比率が高め。暴風・豪雨リスクや架台設置の柔軟性、片流れ採用の増加が地域実情とも合致しているようです。

いろんな要因があって、新築でもリフォームでも金属屋根が選ばれているんだね!

こんなにシェアを伸ばしている金属屋根だけど、メリットばかりではなくデメリットもあるから、理解した上で金属屋根を選んで欲しいね!
4. ガルバリウム鋼板(金属屋根)のメリット・デメリット
観点 | メリット | デメリット/留意 |
---|---|---|
耐震・重量 | 軽量で応答低減が見込める。既存躯体でも載せ替えやすい。 | 遮音・防振は別途設計(野地・断熱層・天井側の工夫)。 |
耐久・耐食 | ガルバ系+高耐候塗装で長寿命化。 | 海に近い地域などでは塩害などの影響も考慮、保証の有無も確認を。 |
省エネ/太陽光 | 遮熱色・断熱一体・太陽光の設置自由度が高い。 | 風荷重・固定方式は最新ガイドラインに準拠して設計。 |
コスト・工期 | 搬入・葺き上げが速く、工期短縮・仮設軽減に寄与。 | 高意匠鋼板は初期コストが上振れする場合あり。 |
デザイン | 片流れ・モダン意匠に適合。マット/濃色で外観を締めやすい。 | 瓦調の厚み・陰影感は素材特性上、別軸での表現が必要。 |
5. 要点まとめ
- シェア:全国の新築戸建で金属屋根が過半(R5で52.5%)。H24→H29→R5と一貫して増加。
- 理由:片流れ等の意匠トレンド、軽量=耐震有利、省エネ・太陽光適合、施工スピード、人手不足環境での合理性。
- 地域:中国地方は金属58.4%で全国平均より高い(R5)。

時代の流れっていうのかな!?金属屋根のシェアの拡大は今後も続きそうだね。みんな、メリットとデメリットをきちんと整理して大切なお家の屋根を選んでね!
参考資料(一次情報・公式)
- 住宅金融支援機構「【フラット35】住宅仕様実態調査報告(令和5年度)」
屋根葺き材(図7(2)-1)、屋根葺き材×地域(図7(2)-2)、屋根葺き材×屋根の形状(図7(2)-3)
https://www.jhf.go.jp/about/research/tech_flat35_siyou.html - 同PDF(80p、本編):
https://www.jhf.go.jp/files/a/public/jhf/400346801.pdf - 国土交通省「木造建築物における省エネ化等による建築物の重量化に対応…(壁量基準見直し)」
https://www.mlit.go.jp/jutakukentiku/build/content/001711952.pdf - 一般社団法人 太陽光発電協会(JPEA)「建物設置型太陽光発電システムの設計・施工ガイドライン(2024/NEDO)」
https://www.jpea.gr.jp/wp-content/uploads/nedo_guideline2024.pdf - 東京都「広報東京都」:https://www.koho.metro.tokyo.lg.jp/2025/03/02.html